サマディクォーツとは ヒマラヤ水晶とピンククォーツの関係、ローズクォーツとの違いについて

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ツルタです!今回は希少なヒマラヤ水晶の中でも、特に流通量が少ないサマディクォーツについてお話します!

サマディクォーツとは

インド ヒマラヤ

インドのヒマラヤ山脈の高地でのみ見られる、非常に希少なピンククォーツの一種です。

水晶と同じく二酸化ケイ素の鉱物で、6面体の結晶構造と尖った末端を持っていて、透明感のあるピンク色の結晶が集まって形作られています。

その色は微量のアルミニウムやリン酸塩に由来すると考えられていて、標本には緑泥石やヘマタイトなどの鉱物の小さなインクルージョンやファントムが含まれていることがあります。

流通しているものは、ヒマラヤ山脈の中でも緑豊かなインド・ヒマーチャル・プラデーシュ州のクル渓谷で産出されたものが多いです。

マニカラン水晶

マニカラン近郊で採掘された水晶の中でも、上記の画像のように赤みが強いものはサマディクォーツとは呼ばれません。

ピンククォーツとは

ピンククォーツ

近年まで、ピンク色の水晶はすべてローズクォーツと考えられていたんです。

ローズクォーツは、淡いピンクから赤みがかった優しい色の半貴石で、古代から心を癒す、恋愛の石とされ、美と愛の石として親しまれてきました。

また、研磨して宝石や素晴らしい装飾品に刻むことができるため、文明の始まりとともに愛されてきた歴史があるんです。

ローズクォーツの基礎知識でもお話した通りは世界中でたくさん採掘されていて、霞がかかったような色から半透明のものがほとんどです。

なぜこのような色になるんでしょうか?

それはローズクォーツの中に含まれている微量のチタン、鉄、マンガンによるもので、ルチルクォーツやデュモルチェライトに似た成分を含み、キャッツアイ効果やスター効果を生み出すこともあります。

ローズクォーツの色は薄いですがかなり安定していて、熱や直射日光による色褪せはほぼありません。

古くからピンククォーツと呼ばれていましたが、1990年代に鉱物学的にピンククォーツが独立した品種であることが認められて、現在では一般的に受け入れられつつあります。

ピンククォーツの発見

1930年代に米国メイン州オックスフォード郡のラムフォードとニューリーの近くで初めて発見され、最初はローズクォーツの一種と考えられていました。

その後、1959年にブラジルのミナスジェライス州で再発見されたことにより、この鉱物に対する研究が進み「Crystalline Rose Quartz」と表記されるようになりました。

しかし、鉱物学者がこの希少な標本を研究するうちに、一般的なローズクォーツとの間に明確な違いがあることを発見したんです。

ピンククォーツはリンの多いペグマタイトにのみ作られ、ペグマタイト全体の細い鉱脈系で成長する後期生成物。

スモーキークォーツの結晶の上に成長することが多いんです。

ピンククォーツとローズクォーツの違い

淡いピンク

ローズクォーツに似た色をしていますが、ピンククォーツは、半透明から透明の小さな結晶のクラスターで産出します。

その色は、微量のアルミニウムとリンによって引き起こされるものです。

色が安定しているローズクォーツとは違って、ピンククォーツの結晶は光と熱に非常に敏感で、日光に長時間さらすと退色します。

現在市場に出回っているピンククォーツのほとんどは、まだブラジルのミナスジェライス州産で、その希少性から宝飾品には使用されていません。

時折、ファセット加工されコレクター向けの宝石として販売されますが、限られた供給量のほぼ全てが標本として販売されています。

ローズクォーツとの区別がまだハッキリと認められていないため、場面によってピンククォーツはローズクォーツと紹介されることもあります。

サマディクォーツが支持される理由

ヒマラヤ産ピンクサマディクォーツは、大きく透明で完璧なピンク色の結晶の形成が特徴的とされています。

高地で採掘されるニルヴァーナクォーツよりも低い標高、それも水晶が自由に成長できる鉱脈で形づくられたサマディクォーツは、自然によってその輝きを最大限に発揮することを許された水晶といわれています。

このことからサマディクォーツはピンククォーツの中でも特別なものとして、宝石愛好家の皆さんから支持を得ています。

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コメント

  1. いつもツイッター楽しみにしてます より:

    パワーストーンが好きで相当な数のショップも見てきましたけどサマディというのは全然見たことがないです。どこに売っているのですか。ネットですか。

    • ツルタレナ@デザイン担当ツルタレナ@デザイン担当 より:

      店頭ではわたしも見たことがないですね。
      ネットでも見かけますが、大規模な卸売をされている企業のショールームで見かけたり。
      それでも数は多くないです。希少な石ですね。

  2. よと より:

    こんにちは。
    サマディクォーツとマニカラン水晶は別のものですか?

    サマディクォーツの定義みたいなものはありますか?
    産地、色、内包物など…。

    どういう基準でサマディクォーツと判断されるのかをお聞きしたいです。
    よろしくお願い致します。

    • ツルタレナ@デザイン担当ツルタレナ@デザイン担当 より:

      こんにちは~!
      マニカランで採掘された水晶のうち、ピンクカラーのものをサマディクォーツと呼ぶことが多いですね。
      どちらもマニカラン産の水晶ではありますが、ヘマタイトやライモナイトといった酸化鉄系の鉱物が目立つ、赤い内包物が入ったものはサマディクォーツとは呼ばれません。
      明確な定義はありませんが、当店では「マニカラン近郊で採掘された水晶のうち、赤色を含まないピンクカラーのもの」をサマディクォーツと呼んでいます。

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