ツルタです!今回は宝飾業界でも表記に揺れがある、ブラックオニキスについてお話します。
オニキス=白い縞のある玉髄
現在、オニキスという名前で流通しているもののほとんどは、まっ黒ですよね。
ブラックオニキス、と記載されていることもありますが、単にオニキスと書かれていることも多いです。
しかし、本来オニキスという言葉は白い縞のある玉髄にのみ使われていたのをご存知でしょうか。
縞のあるオニキスを染色加工し、まっ黒になったものがオニキスとして流通し、それが定着してしまったのです。
そのため、近年ではオニキス=黒い玉髄という認識になりつつあります。
宝飾業界では、すでに定着されているため、この呼名で流通していることを認めているような節もあります。
※正確には黒い玉髄、つまりブラックカルセドニーと呼ぶのが正確ですが、便宜上この記事の中でもオニキスと表記させていただきます。
縞瑪瑙とは違うの?
ちょっとややこしいんですけど、瑪瑙のうち平行な縞のあるものがオニキスになります。
瑪瑙は縞状の玉髄の一種で、同心円状の縞模様が入ったものを指します。
さらに、その柄が眼のように見えるものを天眼石と呼ぶこともあります。
同じ鉱物でも、縞(模様)の入り方で呼び方が変わってくるのが、ちょっとわかりにくいポイントですね。
どうやってまっ黒にしているの?
あの硬い石をどうやって染めるのか。
外から着色してもすぐに取れてしまいそうですよね。
オニキスの場合は、染色というより変色させている、という言い方が近いです。
・砂糖の溶液にひたす
・溶液を煮沸する
・硫酸につける
・炭素が沈着して黒くなる
このような方法で黒くしています。
小さな炭素の粒が玉髄の表面に沈着していくことで、あの艶のある黒が実現しているんですね。
オニキスって色あせするの?
上記のような形でしっかりと色がついていますので、通常の使用で色落ちすることはありません。
ブレスレットとして身につけていても、温度や水分で溶け出したり、手首や服の袖が黒くなることもないので、安心して身につけることができます。
太陽の光にも比較的強く、色合いが濃いままですので、日常の使用でオニキスの色が変わるということはまずないと考えてよいでしょう。
わたしも5年以上使っているオニキスのジュエリーがありますが、全く色が変わっているようには見えません。
カーネリアンも染色されている?
カルセドニーの仲間であるカーネリアンも、縞模様がなく、赤一色になっていますよね。
カーネリアンも原石に鉄イオンを染み込ませてから加熱することで、色を変えています。
ただし、カルセドニーの中でも縞のない部分だけを削り出したものがありますので、市場に流通しているカーネリアンがすべて染色されているわけじゃありません。
オニキスについてのまとめ
縞の入り方や透明度で呼び方が変わることもあるので、ちょっとわかりにくいですよね。
ただ、オニキス(ブラックカルセドニー)に関しては特殊な方法で変色処理されているので、色は安定しています。
宝飾業界でも一般的な処理として受け入れられているので、変色処理されていないオニキスが欲しい、という方は個別に問い合わせてからのご購入をおすすめします。
天然石好きが高じてstoriaという石屋さんにお勤めすることになった関西人。主に仕入れとデザインを担当していますが、最近は写真撮影も勉強中。これまでに買付にいった国はブラジル、中国、タイなど。特技はどこでも眠れること。
コメント
正直ブラックカルセドニーって書かれてもピンとこないです
そうですね
もうオニキスという呼称が定着しすぎているので…
今から変えても余計混乱しそうです
まったく色の処理されていないオニキスってあるんですかねえ
縞が残っているものは見たことがありますよ。
でもそれ以外の部分は処理されていたので、全く色処理されていないものはかなり少ないと思います。