モンスーンの影響、大雨と雪…多様なヒマラヤ山脈の気候

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ツルタです!今回は気候について。ヒマラヤ山脈は広大で標高差も大きく地形も複雑なため、山麓の湿潤な亜熱帯からチベット側の寒冷で乾燥した砂漠までさまざまな気候が見られます。

ヒマラヤ山脈の気候

ヒマラヤ山脈

ヒマラヤ山脈の大部分、つまり高山の南側の地域ではモンスーンが気候の最も特徴的な要素であり、降水量の大部分をもたらしています。

南西モンスーンの影響で6月に大雨が降り9月まで続きます。

モンスーンは交通機関に深刻な影響を与え、大規模な地滑りを引き起こすことがあり、その場合は観光も制限されるんです。

ヒマラヤ水晶の採掘も大雨の時期には進められず、流通量が激減する年もありました。

トレッキングや登山のシーズンは、4〜5月のモンスーンの前か、10〜11月のモンスーンの後(秋)に限定されます。

ネパールやシッキムでは、夏、モンスーン、秋(またはモンスーン後)、冬、春の5つの季節があると考えられていることが多くなってます。

ケッペンの気候区分では、ヒマラヤ山脈の低地からネパール中央部(カトマンズ谷を含む)にかけては、Cwa(湿潤亜熱帯気候、冬は乾燥)に分類されます。

また、ヒマラヤ山脈の大部分は亜熱帯高地気候(Cwb)になります。

南西モンスーンの強さは山脈に沿って西に行くほど弱まり、東部のダージリンではモンスーン期の降雨量が2030mmにもなるのに対し、西部のシムラでは同時期にわずか975mmしか降りません。

ヒマラヤ山脈の北側はチベット・ヒマラヤとしても知られ、乾燥していて寒いうえに風が強く、特に西側は冷たい砂漠気候です。

植物はまばらで発育が悪く、冬は厳しい寒さに見舞われ、降水量のほとんどは冬の終わりから春にかけての雪になります。

ヒマラヤ山脈の気候は、局所的に大きな影響を受けています。

標高が100m上がるごとに気温は0.2〜1.2℃下がるため、麓の熱帯に近い気候から高地のツンドラや永久雪や氷までさまざまな気候が生まれるんです。

また、地形によっても気候は影響を受け、アンナプルナ山塊とダウラギリ山塊によってモンスーンの雨から守られているアッパー・ムスタングでは、年間降水量が約300mmと砂漠に近い状態になっているのに、山塊の南側にあるポカラではかなりの雨量(年間3,900mm)なんです。

このように年間降水量は一般に西より東の方が多いのですが、地域差の方が大きい場合が多いのです。

ヒマラヤ山脈はインド亜大陸とチベット高原の気候に大きな影響を及ぼしています。

そのため、南アジアは他の大陸の温帯地域に比べてはるかに温暖であり、ヒマラヤ山脈はモンスーン風の障壁にもなっています。

この障壁のおかげでモンスーン風が北上するのを防ぎ、テライ地方に大雨を降らせることができます。

ヒマラヤ山脈はタクラマカンやゴビなどの中央アジアの砂漠の形成にも重要な役割を果たすと考えられているほどです。

また、ヒマラヤ山脈の氷の減少が過去40年間加速していることが衛星写真で証明されています。

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