深みのあるブルーが宝石好きの心をつかんで離さない!サファイアだけが持つ魅力に惹かれる人も多いのではないでしょうか
サファイアの意味と効果
サファイアは伝統的に、高貴さ、真実、誠実さ、忠実さを象徴しています。
「トゥルー・ブルー」と呼ばれる貞節と魂の宝石でもあり、古来からサファイアを贈ることは、信頼、誠実、純潔、忠誠の誓いであったといいます。
このような伝統から、サファイアはエンゲージメントリングとして人気があります。
特徴的なブルーカラーは、トパーズやタンザナイトなど、他の青い宝石を測る際の基準ともなるほど。
サファイアは、ギリシャ語で青を意味する「sappheiros」に由来しているだけあり、宝石の中でも最も美しい青とされています。
古来からサファイアには貞節を守る力、敵との和平を結ぶ力、霊に影響を与える力、神託の秘密を明かす力などがあると考えられていました。
サファイアの歴史
何世紀にもわたって、王族や聖職者のローブを飾ってきました。
古代ペルシャ人は、地球が巨大なサファイアの上に乗っていると信じ、その反射で空が青く見えると考えていたのです。
古代ギリシャやローマでは、王や女王たちが、ブルーサファイアが羨望や危害から持ち主を守ると信じていました。
中世では、聖職者が天国を象徴するものとしてブルーサファイアを身につけていましたし、一般の人々もブルーサファイアが天の恵みをもたらすと考えていたのです。
民俗学、歴史学、芸術学、そして消費者意識において、サファイアは常に青のイメージを持っています。
ジュエリーを購入される顧客の多くは、サファイアはすべて青色だと思っていますし、宝石商が「サファイア」という言葉を単独で使う場合、通常は「ブルーサファイア」を意味します。
また、特殊な蘭色のピンクサファイアはパパラチアと呼ばれ、これはスリランカの言葉であるシンハラ語で「蓮の花」を意味していて、当初はスリランカ産の石だけがこの名前で販売されていました。
歴史上、スリランカの川砂利からどれだけのパパラチア・サファイアがふるい落とされてきたかはわかりません。
今ほど価値のあるものとして扱われていた時代は、長くないのです。
スリランカの人々は、自国と結びついた伝統的な色に特別な思いを抱いているといいます。
サファイアの大きさとカット
サファイアの大きさは2カラットまでは数も多いですが、5~15カラットのものも珍しくありません。
カットはクッション型とオーバル型が主流です。
また、ラウンド、エメラルドカット、プリンセスカット、トリリアントなど、1カラット以下のサイズのものもあります。
お手入れ方法について
サファイアのモース硬度は9で、非常に強靭といえます。
一般的には研磨剤として使用されることもあるほど。
サファイアは宝石の中でも最も耐久性に優れています。
中性洗剤とやわらかいブラシを使って、じっくり時間をかけてお手入れすると長く輝き続けてくれますよ。
リングの場合は、宝石の裏側の部分にほこりがたまりやすいので、やさしくブラッシングすると表から見た時にも綺麗になります。
鮮やかなファンシーサファイアの世界
ブルーサファイアやルビー以外にも、コランダムの仲間には、いわゆる「ファンシーサファイア」があります。
ファンシーサファイアには、バイオレット、グリーン、イエロー、オレンジ、ピンク、パープル、さらにその中間色があります。
また、異なる色の組み合わせである「マルチカラー」のサファイアもあるんです。
カラーチェンジと呼ばれる現象を示す石もあり、昼間の光や蛍光灯の下では青く、白熱灯の下では紫になることが多いですね。
また、グレーやブラック、ブラウンのものもあります。
ファンシーサファイアは一般的にブルー系に比べて流通量が少ないので、色によっては希少価値があります。
そして、ファンシーサファイアは宝石自体が持つストーリー性に惹かれる人や、ありきたりの宝石ではないものを求めている人にとって、多様な選択肢を与えてくれるのです。
1990年代に入り、東アフリカやマダガスカルでファンシーサファイアが発見され、広く知られるようになりました。
スリランカやマダガスカルなどの伝統的な産地に加えて、イエロー、オレンジ、ピンク、パープルなどの色が増えたのです。
これらの色は、赤、青、緑といった伝統的な色調から脱却しようとするジュエリーデザイナーたちを魅了しました。
現代のデザイナーは、ファンシーサファイアを見事なジュエリーにアレンジしています。
アステリズム(スター効果)
コランダムには、アステリズム(スター効果)と呼ばれる現象が見られます。
この現象は通常、カボションカットされた石の曲面に6つの星の模様が現れます。
スター効果は、ルビーやサファイアのどの色にも見られるもので、無数の小さな指向性のある針状の内包物に白色光が反射して生じるものです。
カラーチェンジ・サファイア
ファンシーサファイアやスターコランダムの他にも、カラーチェンジ・サファイアという興味深い種類があります。
この魅力的な石は、照明によって色が変化します。
この石の存在は、サファイアという宝石をさらに奥深いものにしているんです。
ブルーサファイア、ファンシーサファイアともに、マダガスカル、タンザニア、スリランカ、ミャンマー、オーストラリアなど、さまざまな産地から産出されています。
サファイアのカラーバリエーションと価値
コランダムには、ブルーサファイアやルビーのほかに、いわゆる “ファンシーサファイア “があります。
ファンシーサファイヤには、バイオレット、グリーン、イエロー、オレンジ、ピンク、パープル、そしてその中間色があるのです。
中にはカラーチェンジと呼ばれる現象を示すものもあって、昼間の光や蛍光灯の下では青く、白熱灯の下では紫になるものがほとんど。
あと、サファイアにはグレー、ブラック、ブラウンのものもあるんですよ。
とにかく、サファイアは青くなくても美しく、様々なカラーバリエーションがあります。
ただし、サファイアは「赤以外の色ならある」と言えるでしょう。
なぜなら、赤いサファイアはルビーになるからです。
夕日のような輝きを放つパパラチア・サファイア
ファンシーサファイアの中で最も人気のある色は、希少で美しいパパラチア・サファイアです。
これは、熱帯の夕日を思わせる独特のサーモンカラーを持つピンクオレンジ色のコランダムです。
主にスリランカで産出され、世界で最も希少で高価な宝石のひとつです。
ピンクからオレンジのサファイアも人気!
ピンクサファイアは昨今、流行の兆しを見せています。
ジュエリーデザイナーたちは、サファイアをプラチナやホワイトゴールドにセッティングし、パヴェダイヤモンドをあしらった精緻なスタイルを提案しています。
また、ピンクサファイアに加えて、バイオレットやパープル、パパイヤと呼ばれる鮮やかな赤みを帯びたオレンジなど、ピンクサファイアに関連する色も発見されています。
また、アースカラーの服が増えてきたこともあり、コランダムの黄色や金色、オレンジ色などの幅広い色調にも注目が集まっています。
サファイアはカシミール、ビルマ、スリランカ、マダガスカル、タイ、カンボジア、オーストラリア、タンザニア、ケニア、アメリカなどで産出されます。
加熱処理(ヒート・エンハンスメント)
色合いの良いサファイアが求められているため、生産者は採掘後、カットする前に、可能な限り最高の色合いになるように特別な処置を施しています。
ほとんどのブルーサファイアは2,000度近くまで加熱され、色が濃くなります。
暗い色のサファイアを熱で明るくすることもありますが、このプロセスはうまくいかないことが多いです。
ファンシーカラーのサファイアも、可能な限り最高の色を出すために加熱されます。
また、色だけでなく透明度を高めるために加熱するサファイアもあります。
加熱処理は安定した技法であり、何か特別なお手入れがいるわけでもありません。
サファイアの成り立ち
ブルーサファイアは、コランダムという鉱物に属します。
コランダムという鉱物は、アルミニウムと酸素だけで構成されているため、シリコンが含まれない生育環境が必要となります。
しかし、ケイ素は非常に一般的な元素であるため、天然のコランダムは比較的珍しいと言えます。
純粋な青のほか、緑がかった青から紫がかった青まで様々な色があります。
ちょっとややこしいですが、サファイアという名称はコランダムの中でも「赤色というほどではなく、かといってルビーにも該当しないもの」を指すこともあります。
濃いめのピンクサファイア、などですね。一見、色が薄いルビーにも見えます。
ただし、コランダムは本来、無色透明です。
無色透明のサファイアはかつてダイヤモンドの模造品として人気を博していたぐらいで、近年ではアクセントストーンとして復活を遂げているのです。
現在では無色のコランダムは珍しく、ほとんどのコランダムには着色の原因となる微量元素が含まれています。
その微量元素が鉄とチタンの場合、コランダムはブルーサファイアとなります。
鉄やチタンは数百分の1しか含まれていませんが、鉄が多ければ多いほど青は濃くなります。
ルビーの赤やピンクサファイアのピンクはクロムによるものです。
鑑別書の発行も検討すべき
自然な色のサファイアが欲しい場合は、宝石鑑別機関から熱による変質の痕跡がないことを示す鑑別書を求める必要があります。
ただし、相応の支払いは覚悟すべきですね。
また、カシミール、ビルマ、その他の一流の原産国と称されるサファイアについては、原産地の証明を求めることをお勧めします。
特定の地域で産出されたことが証明された石は、その事実に基づいた付加価値を得ることができるからです。
天然石に魅せられて仕入れのために世界各国を飛び回る、Storiaの店長です。大阪市福島区で育った二児の父。学生のころからミネラルショーにも参加するほど石が好きで、中国やロシア、ブラジルに原石を探しに行ったり、アメリカでクリスタルヒーリングのセッションを受けたことも。特技は何でも食べられる(ようになった)こと。
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