ツルタです!独特の落ち着いたカラーに癒やされる、という方も多いのでは?今回はグラウンディングの石としても注目を集めているスモーキークォーツについてお話します。
スモーキークォーツの色と透明度
スモーキークォーツは水晶の仲間で、薄い黄褐色から黒く見えるほど濃い褐色まであります。
また、グレーがかった茶色のものは、市場であまり好まれません。
これはこれで味わいがあるんですけどね。
宝石としてカットする場合は、オレンジがかった茶色から赤みがかった茶色になっているものが好まれています。
スモーキークォーツは産出量が多く、世界中の多くの場所で採掘されていますので、比較的安価な宝石素材ではあります。
透明度に優れ、インクルージョンの少ない大きな結晶で発見されることも多い水晶です。
スモーキークォーツの色は、周囲の岩石から放たれる天然の放射線が水晶の中のアルミニウム不純物に反応することで作られます。
同じ水晶の仲間であるアメジストも、鉄の不純物と放射線によってあの深い紫色が生まれるのです。
スモーキークォーツとトリートメント
スモーキークォーツは、水晶に放射線を照射することで人工的に発色させることもできます。
照射量をコントロールすることで色味を微調整することができますが、天然のスモーキークォーツは需要に対して安価で豊富なため、実験室で作られることはそう多くありません。
同じ理由で、合成スモーキークォーツもまず生産されません。
非常に濃い色の天然スモーキークォーツは、色を明るくするために加熱されることがあります。
スモーキークォーツの主な用途
スモーキークォーツは、ファセット加工されたり、ビーズやカボションにカットされます。
黄褐色から茶色を好む人のために、リング、ペンダント、ネックレス、イヤリング、ブローチの素材としてよく使われます。
主にヨーロッパでは、濃い茶色をしたスモーキークォーツが男性用の指輪やカフスボタンによく使われています。
ヴィクトリア朝時代には、アイルランドのモーン山で採れるダークブラウンの石が、喪服用のジュエリーによく使われていました。
スモーキークォーツは価格が安く、大粒のものが手に入りやすいため、ファセットを習う人の練習材料や、彫刻の材料としてもよく使われます。
12世紀にはすでに、スモーキークォーツの平らな部分が中国で眼鏡の材料として使われていました。
そのうちのいくつかは、明るい光から目を保護するサングラスとして使用されていたんです。
また、裁判の際に裁判官が顔の表情を隠すためにかけていた、という歴史もあります。
スモーキークォーツは水晶の仲間でもある
スモーキークォーツ、アメジスト、シトリン、アメトリン、ローズクォーツ、レモンクォーツは、いずれも水晶という鉱物の仲間。
薄いローズクォーツとモリオンに近い、濃い色合いのスモーキークォーツは同じ水晶とは思えませんが、色以外の性質はほぼ同じなんです。
モリオンにいたっては色の濃さだけで呼び名が変わっているのが現状で、実質ほぼ同じ石と言えます。
スモーキークォーツはどうやって作られる?
スモーキークォーツは、主に火成岩や変成岩を貫く石英脈やペグマタイトの岩脈で発見されます。
また、ペグマタイトの縁にある火成岩や変成岩の空洞に、よく発達した結晶が見つかります。
火成岩との関連が不明な堆積岩や変成岩の割れ目に、低温で形成されたスモーキークォーツが見られることもあります。
世界各地にある放射性のある鉱床は、非常に暗いスモーキークォーツを作ることもあります。
これらの場所の非常に暗い色をした水晶は、放射性鉱物からの放出物によって着色されたものと考えられていて、まっ黒になったものを「モリオン」と呼びます。
スモーキークォーツの主な産地
現在、宝飾品に使用されるスモーキークォーツのほとんどは、ブラジルが産地となっています。
また、マダガスカルも商業的なスモーキークォーツの重要な産地と言えるでしょう。
スモーキークォーツはスコットランドの国宝で、発見されたケアンゴーム山にちなんで「ケアンゴーム」と呼ばれています。
また、北アメリカ大陸 コロラド州パイクスピーク付近には、アマゾナイトに付随するスモーキークォーツの鉱床があり、両鉱物の優れた結晶が採掘されることから、鉱物収集家の間で世界的に有名になりました。
1985年5月31日、スモーキークォーツはニューハンプシャー州の「公式州宝石」に指定されています。
その他、ロシア、ウクライナ、スイスなどでも産出されています。
天然石好きが高じてstoriaという石屋さんにお勤めすることになった関西人。主に仕入れとデザインを担当していますが、最近は写真撮影も勉強中。これまでに買付にいった国はブラジル、中国、タイなど。特技はどこでも眠れること。
コメント
最近アメリカの宝石や水晶について書かれていますがこんなに採掘されているものなんですか。日本ではほとんどアメリカの宝石について目にしないと思います。ウチが聞いたことがあるのはスリランカとかブラジルです。
そうですね、ご指摘どおりでアメリカ産の宝石って見かけないです。
日本ではそう記載されていないのか、流入していないのか。
実際あれだけ広大な土地がありますので、宝石もたくさん採れるんです。
意外ですよね。
モリオンになる途中がスモーキークォーツなんでしょうか。
どうやって名前を決めているんでしょう。
光を当てた時に向こう側がすけないほど黒くなったものをモリオンと呼ぶことが多いですね。
実際流通しているスモーキークォーツにも、色が濃いものと薄いものが混在しています。
こんにちは。スモーキーは黒っぽい石とばかり組み合わせされている印象があります。パステルの石とは合わないのでしょうか。ヒーリングストーンならそういう組み合わせもありだと思うんですけども。
こんにちは!
スモーキークォーツは色合い的にオニキスのような石と組み合わせることが多いですね。
パステルカラーならグリーンが合いますよ。
グリーン、ブラウン系ならパステルカラーのような中間色でも大丈夫です。