ツルタです!アメジストは他の水晶と同じく、世界中で採掘されています。しかし同じアメジストであっても、産地ごとに少しずつ特徴があるんです。今回は世界的に有名な産地で採れるアメジストの特徴についてお話します。
メキシコ産
メキシコのいくつかの産地に限定されるのは、背の高い角柱状の結晶です。
ベラクルス州のピエドラ・パラダとラス・ビガス・デ・ラミレス、およびゲレロ州のアマティトランが挙げられます。
日本人である私には全然馴染みのない地名です。
これらは細長い結晶で産出されますが、コレクターがこれらの希少な結晶を高く買うため、ほとんどカットされていません。
原石のまま流通うしていることがほとんどです。
メキシコのもう一つの優れた産地はグアナフアトで、こちらはずんぐりした形の結晶が見つかります。
ブラジル産
水晶を語る上で外せないのがブラジル。
中でもリオグランデ・ド・スルはアメジストが大量に産出されます。
特にアメティスタ・ド・スルでは巨大な結晶が並ぶアメジストの晶洞が発見されます。
ウルグアイ産
ブラジルとの国境に近いアルティガスで、大きな晶洞や筒状のアメジストが発見されます。
色合いが濃く、深みのある紫をしているので当店でも人気の産地です。
ボリビア産
南米の重要な産地として挙げられるのがボリビアです。
サンタクルスにあるアナヒ鉱山は特にアメトリンの産地として注目されています。
アメトリンはアメジストとシトリンが混ざったような、珍しい鉱石ですが世界でアナヒ鉱山でしか採れません。
宝石質でカットに足るクオリティを持つアメトリンは、原石全体の1%以下といわれています。
ナミビア産
南アフリカでも大量のアメジストが発見されていて、これらはしばしば「アフリカン・アメジスト」として宝石業界で流通しています。
ナミビアでは、エロンゴ山脈のブランドバーグに近いゴボボセブ山脈で、明るい色から暗い色へとゾーニングされた結晶が見つかります。
南アフリカではマガリスバーグに広範囲な鉱床があり、アメジストは小さな結晶がトゲ状に生い茂った状態で産出されます。
現地では見た目がサボテンに似ていることから「カクタスクォーツ」と呼ばれます。
ロシア産
ウラル山脈とシベリアでは、非常に濃く透明なアメジストが発見されています。
かつて最上級のアメジストはロシアでしか採れない、と考えられた時期があり、アンティーク市場で高値で流通しているもののなかにロシア産のアメジストが見られます。
ロシアは国土が広大なので、宝石も多く採掘されている国でもあるんです。
ハンガリー産
北東部のニイリからは、球状の集まりでドラス状のライラック色のアメジストが最近産出されました。
日本国内に入ってきたのはかなり最近で、流通量は非常に少なくなっています。
一部の鉱山では採算が取れず、閉山になっているからです。
カナダ産
カナダでは2つの顕著な産出地があります。
ひとつはオンタリオ州のサンダーベイで、標本は赤いヘマタイトを含んでいるのが特徴です。
もうひとつの産地はノバスコシア州のディグビーで、ファンディ湾に沿った浜辺では自然に丸くなった、水流によって磨かれたアメジストの小石が見つかるんです。
地熱や自然の放射線、鉄分の影響で独特の色合いが作り出されています。
あとはグリーンのプラシオライトも採掘されていますよ。
アメリカ産
アリゾナ州ギラ郡フォーピークス
モンタナ州ジェファーソン郡ポンドルフ鉱山
モンタナ州ビーバーヘッド郡クリスタルパーク
コロラド州ラリマー郡レッドフェザーレイクのペノイヤー鉱山
メイン州オックスフォード郡ディアヒル
など、多数の地域で上質のアメシスト結晶が産出されます。
中でも深い紫色の結晶を産出するようになったのは、ジョージア州ウィルクス郡ジャクソンズ・クロスローズ。
日本ではアメリカ産のパワーストーンや宝石というとあまり馴染みがありませんが、実は一大産地でもあるんです。
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天然石好きが高じてstoriaという石屋さんにお勤めすることになった関西人。主に仕入れとデザインを担当していますが、最近は写真撮影も勉強中。これまでに買付にいった国はブラジル、中国、タイなど。特技はどこでも眠れること。
コメント
ハンガリーでも取れるんですか?なんで?てっきりブラジルとか南アフリカの話だと思っていました。いや・その2つの国でも取れるとは書いてますけど。ハンガリーとかウィーンとかは加工された宝石ならたくさんありそうなイメージはありますけどねー。
そうなんです!
この意外な産地シリーズは皆さんから反応いただいてます。
確かにハンガリーに産地のイメージはないですよね。
でも、日本も国土は狭いけど水晶は採れますから、採れるってだけなら結構たくさん国があるんです。
ただし、流通できるほど採算が採れる鉱山、となると限定されます。