アメトリンの意味と効果、お手入れ方法や産地、特徴について

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アメジストシトリンの両方の色を持つ透明なバイカラークォーツを、アメトリンまたはアメジスト・シトリンと呼びます。コントラストのある色あいが幻想的な雰囲気を作り出す、希少なパワーストーンです。

自然からの貴重な贈り物 アメトリン

アメトリン

アメジストとシトリンの色が混在しているものは、アメトリンまたはアメジストシトリンと呼ばれます。

アメトリンの唯一の産出地はボリビアのアナヒ鉱山。

アメジストとシトリンの色が水晶の中に「同時に存在すること」は、自然からの貴重な贈り物と言えます。

光と影のバランスを保ち、心の落ち着きを与えてくれると言われています。

石言葉は調和、安定、配慮、優しさ、高貴。

アメトリンの基礎的な情報

鉱物:石英
化学組成:SiO2
色:オレンジ/イエローとパープルの2色
屈折率:1.544~1.553
比重:2.66(+0.03/-0.02
モース硬度:7

お手入れ方法

水晶は、硬度が7と比較的高く、劈開性がないため、ジュエリーに適した石です。

しかし、日常的に身につけていると、摩耗で輝きが鈍くなることがあります。

あまり擦れたりしないように心がけると、ずっと綺麗なままでいてくれますよ。

基本的にアメトリンは、温度変化や家庭用化学物質に影響されにくいため、特別なお手入れは必要ありません。

オレンジからバイオレット系のパープルまで

上質なアメトリンは、中程度の濃さから中程度の強さのオレンジと、鮮やかな強さのパープルまたはバイオレット系のパープルです。

主な色の領域としてはパープルからバイオレットパープル、シトリンのカラーゾーンはイエローからオレンジになります。

ロージーゴールド、モーヴ、シャンパン、ピンク色っぽいピーチなどの色を持つものもあります。

5カラット以上の大粒のアメトリンは、とても鮮やかな色を持つ傾向があります。

それぞれの色が魅力的に半々に分布し、石の中心部で2つの色の境界がはっきりしているものが人気ですね。

アメトリンは、バイカラー効果がよく現れる長方形のステップカットにされることがほとんど。

加工業者は、紫と黄色、両方の色が均等になるように作ろうとします。

また、アメトリンをミックスカットやブリリアントカットにして、内部反射を利用してアメジストとシトリンの色を混ぜ合わせる加工もあります。

アメトリンはフリーフォームカットやファンタジーカットでも人気がある石です。

主な産地

アメトリン 原石

アメトリンはブラジルのリオグランデ・ド・スルで最初に報告されましたが、現在知られている宝石品質のものはすべてボリビアのアナヒ鉱山で産出されています。

この地域の先住民は古くからこの石を珍重していました。

また、アメリカ、カナダ、インド、モザンビークなどでも非商業的な鉱床が発見されています。

天然アメトリンの「商業的な供給源」という意味では、ブラジルとの国境に近いボリビア東部にある鉱床のみです。

伝説によると1600年代にスペインの征服者がこの場所を発見したが、3世紀以上もその情報は失われていたといいます。

アメトリンが再び市場に出回り始めたのは1970年代のこと。

アナヒという鉱山では、天然のアメジストやシトリンも産出されています。

アナヒ鉱山の歴史

1600年代にスペインの征服者がボリビア南東部のアナヒ鉱山を発見し、いくつかの標本を女王に献上してヨーロッパ人にこの宝石を紹介しました。

この鉱山は、スペイン人コンキスタドールが先住民のアナヒ王女と結婚する際に持参金として与えられたものです。

1960年代に再発見されたこの鉱山のアメトリンは、1970年代に再び市場に出回るようになりました。

鉱山は辺境の地にあり、行き来は小型飛行機での移動か、道路と船を組み合わせての移動に限られます。

一部の物資や人員は飛行機で鉱山を行き来するほどの難所なんです。

鉱山によって採掘された石は、船で移動していきます。

現代でもコレですから、鉱山の場所が何世紀にもわたって失われていたことは想像に難くありませんね。

アメトリンの価値

アメトリンは、他の石英系宝石と同様に、かなり大きくてきれいな状態で産出されます。

そのため、アメトリンの値段はやや控えめです。

素材そのものについては、色の深さと鮮やかさ、色の分離の区別が主な価値のポイントです。

多くのアメトリンは、カッティングや彫刻の芸術性が価値の大半を占めています。

同じ原石からカットしたものでも、業務用やネイティブカットのものと、高級なオーダーメイドのものとでは、天と地ほどの値段の差がありますよ。

プレオクロイズム(光の入り方によって異なる色を示す効果)

アメジストカラーの部分は、アメジストのようなプレオクロイズムを示すことがあり、弱い紫から中程度の紫、赤紫です。

シトリンカラーの部分は、シトリンのようなプレオクロイズムを示すことがありますが、ごく弱い黄色やオレンジの色合いです。

アメトリンは天然の宝石なの?偽物はある?

アメトリン カット

アメトリンのカラーゾーニングは、天然の宝石ではないかと疑う人もいるかもしれませんが、地質学的な証拠があります。

この宝石の急激な色の変化は、形成時の温度や圧力のわずかな変動を反映しています。

これらの要因に応じて、鉄の不純物によって、1つの石英石の中にアメジスト(紫)やシトリン(黄色)のゾーンが形成されるわけですね。

現代では実際にアメジストを人工的に加熱して、大量のシトリンを作り出すことができるようになりました。

つまり、自然の加熱や冷却によって、2色のアメトリンが生成されることは希少ではあるものの、ありえない現象でもないのです。

もちろん、アメトリンの中には人工的に色をつけたり、作ったりできるものもありますので注意が必要です。

合成アメトリンはあるの?

熱処理された天然水晶と合成アメトリンの両方が市場に出回っています。

これらの素材は、光学的にも物理的にも天然のものと同じであるため、見分けるには宝石学的な検査が必要です。

アメトリンのような天然の石英石で双晶を検出することは、かつては天然由来の証でした。

しかし、合成石英でも双晶を再現できるようになったのです。

アメトリンに用いられるカット

アメトリンは、その透明感から、ファセッター、キャバー、カーバーにも合います。

1970年代にこの素材が大量に市場に登場したとき、宝石職人はカラースプリットが50対50のエメラルドカットを好んでいました。

今でも多くの原石がこの方法でカットされています。

最近では、様々な形を試す加工業者も出てきました。

これらのデザインの多くは、内部反射によってイエローとパープルを融合させ、ロージーゴールド、モーヴ、シャンパンなどの魅力的な色合いを生み出しています。

また、イエローとパープルの両方がモザイクのように点滅する、非常に凝ったデザインもあります。

アメトリンの商品名

アメトリンは「アメジスト-シトリン」や「シトリン-アメジスト」と呼ばれることがあります。

他には「ゴールデン・アメジスト」と呼ばれています。

また、現地のボリビアでは「ボリビアナイト」という商品名を目にすることがあります。

しかし、この名称は以前に他の鉱物に使われていたことがあるので、ちょっとややこしいですね。

アメトリンと呼ぶのが無難です。

     

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