ペリドットの意味と効果、産地や用途、お手入れ方法について

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女神ペレの涙として重宝されている爽やかなライムグリーンが特徴のペリドット。

ペリドットの意味と効果

ペリドット

ペリドットは、ハワイでは女神ペレの涙として大切にされています。

オアフ島には、ペリドットの小さな粒でできたビーチがあるほどです。

エジプトでは「太陽の宝石」と呼ばれ、特に金のジュエリーにセットされたものは、「夜の恐怖」から持ち主を守ってくれると信じられていました。

また、ロバの毛につけて左腕に巻いて魔除けにした人もいたと言います。

ペリドットの語源は、アラビア語で「宝石」を意味する「ファリダット」です。

ペリドットの特徴的なグリーンカラー

ペリドット 連

ペリドットの色の範囲は狭く、茶緑色から黄緑色、純緑色まであります。

ジュエリーに使われるペリドットの色は、黄緑が最も多いですね。

ほとんどの宝石の色は、他の元素の痕跡によるものですが、ペリドットの色は、その構造の一部です。

柑橘系やアースカラーがお好きな方は、ペリドットをジュエリーのコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。

明るいスプリンググリーンは、スカイブルーとの相性も抜群ですよ!

ペリドットのお手入れ方法

8月の誕生石であるペリドットの硬度は6.5で、金属よりは硬いですが、多くの宝石よりは軟らかいです。

ペリドットのジュエリーは、キズがつかないように、また衝撃から保護するように注意して保管してください。

ペリドットは急激な温度変化に弱いので、蒸気洗浄や超音波洗浄は避けましょう。

お手入れは、中性の食器用洗剤でやわらかいブラシを使ってこすってください。

主な産地

ペリドット 原石

ハワイの火山からは、宝石にできるほど大きなペリドットが産出されていますが、現在ハワイで販売されているペリドットのほとんどは、アリゾナ州で産出されたものです。

現在、ペリドットのほとんどは、アリゾナ州のサンカルロス保留地に住むネイティブアメリカンによって、手作業で採掘されています。

ここで産出されるペリドットは、色は美しいですが、サイズは比較的小さめ。

アリゾナ産のペリドットのファセットは、5カラット以上のサイズではあまり見られません。

ビルマでは大型のペリドットが、中国では大量のペリドットが採掘されています。

1994年、パキスタンのカシミール地方にあるヒマラヤ山脈の西端、海抜15,000フィートの場所で、上質のペリドットの新しい鉱床が発見されました。

美しい大粒のペリドットの結晶が発見され、中には見事な大粒の宝石をカットするものもありました。

ペリドットの言い伝えと伝説

ペリドット さざれ

古代ローマ人は、ペリドットの緑色が夜になっても暗くならず、ランプの光で見えることから「イブニングエメラルド」と呼んでいました。

ペリドットは、古代エジプトのゼーベルジェという島で採掘されていました。

昼間はペリドットが見えにくいという言い伝えがあり、夜に採掘されていたのです。

島には大蛇が生息していたため、ペリドットの採掘は非常に危険な作業だったと言われています。

その後、ペリドットは中世の教会の装飾にもよく使われていました。

ケルン大聖堂の三博士の祠には、200カラットを超える大きなペリドットが飾られています。

ペリドットの値段とサイズの関係

3カラット以下のスモールカットのペリドットは、比較的手に入れやすい価格で流通しています。

5カラット以上の宝石は価値が上がり始め、10~15カラット以上のものはかなり希少に。

それでも、手ごろな価格で大きくて大胆な宝石を購入できます。

色彩の強い大粒のものは見応えがあり、魅力的な小粒のものはあらゆる価格帯のジュエリーに利用されています。

厳しい環境下で生まれる宝石

ペリドット 指輪

ペリドットは、カンラン石という鉱物の宝石品種です。

明るいグリーンカラーが印象的なペリドットは、厳しい環境下で生まれます。

火山でできた岩石や、地球に落ちてきた隕石の中にも含まれていることも。

地球外から飛来したペリドットのサンプルの中には、ファセット加工されて宝石になったものもあります。

ペリドットは、地球の奥深く、膨大な熱と圧力のもとで形成されます。

化学組成には鉄とマグネシウムが含まれており、黄緑色の魅力的な色の原因は鉄であると考えられています。

この宝石は、この2つの元素を多く含む玄武岩と呼ばれる火山岩に多く含まれています。

ペリドットの多くは地中深くで形成され、火山によって地表に運ばれてきたものなのです。

しかし、このような地球外産のペリドットは非常に珍しく、宝石店で見かけることはまずありません。

世界中で愛されるペリドット

古代エジプト人は紅海のザバルガド島でペリドットを採掘していましたが、この島は世界の博物館に展示されている多くの大型高級ペリドットの原産地です。

エジプト人はこの宝石を “太陽の宝石 “と呼んでいました。

今日でも、この宝石はその安らかな黄緑色の色合いと長い歴史で大事にされています。

宝石採掘者は、米国、中国、ベトナムの一部の溶岩流の中に、不規則なノジュール(ペリドットの結晶が入った丸い石)としてペリドットを発見しました。

後者は、フィンランド、パキスタン、ミャンマー、ザバルガド島などから産出されます。

地質学者は、どちらのタイプの堆積物も、地殻が分裂してマントルの岩石が地表に押し上げられたときに起こる海底の広がりに関係していると考えています。

ミャンマーのように、これらの岩石がその後の地球の動きによって変化し、変形し、山脈に組み込まれることもあるのです。

まれに、地球に落ちてきた隕石の中に含まれていた、地球外起源のペリドットもあります。

エメラルドやトパーズと混同されることも

初期の記録によると、古代エジプト人は紅海に浮かぶトパジオスという島で、美しい緑色の宝石を採掘していました。

伝説によると、この島には蛇が生息していたため、採掘が困難になり、ファラオが蛇を海に追いやったと言われています。

現在ペリドットと呼ばれているこの石は、古くから他の宝石と混同されていました。

特にトパーズと間違えられることが多かったようです。

クレオパトラが集めていた有名なエメラルドは、実はペリドットだったのではないかと考える歴史家もいます。

中世の人々は、ペリドットとエメラルドを混同していました。

ドイツのケルン大聖堂にある三聖王の祠に飾られている200カラットの素晴らしい宝石は、何世紀にもわたってエメラルドだと信じられていましたが、実際はペリドットなんですよ。

     

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