ゴールデンベリルの太陽のように温かいゴールドカラーは日本人の肌にも馴染みやすく、コーディネートしやすい色合いなのですが、知名度は高くありません。
ゴールデンベリルとその魅力
文字通り黄金の輝きを放つゴールデンベリルは、アースカラーとの相性が抜群によいことで知られています。
また、ゴールドジュエリーとも合わせやすいですね。
明るいパステルカラーとのコントラストも絶妙なゴールデンベリルは、あらゆるジュエリーに用いられる万能選手でもあるんです。
そして、あまり知られていませんが、この宝石には輝かしい系譜があるんです。
名だたる宝石がずらり!ベリルの仲間たち
人と同じように、宝石にも密接な関係を持つ仲間がいるのです。
その中でも最も重要といわれる石がベリル。
ベリルにクロムが加わって美しい緑色になると、エメラルドという希少価値の高い緑色の宝石になります。
ベリルの仲間としては最も高価で、知名度もある宝石です。
また、鉄が1価の状態で含まれているとベリルはアクアマリンになります。
優しげなブルーカラーが女性に人気です。
こちらもエメラルドに負けないほど美しい宝石ですね。
色が変わると印象も大きく変化するため、同じ宝石の仲間とは思えないかもしれません。
ベリルに他の色があることをご存知ない方も多いでしょう。
ベリルに含まれる鉄の価数が異なると、淡いブルーではなく、豊かなゴールデンイエローになるのです。
ゴールデンベリルはアクアマリンのような輝きを持ちながら、同時に太陽のような暖かい色をしています。
発見から世界で注目されるまで
ゴールデンベリルは、1913年にナミビアで、アクアマリンも産出するペグマタイトから発見されました。
発見した鉱山会社は、ギリシャ語で太陽の「ヘリオス」と贈り物の「ドロン」にちなんで「ヘリオドール」と命名されました。
1914年には当時の一流ジュエリーデザイナーであるルーカス・フォン・クラナッハに依頼して、ドイツ皇帝ウィルヘム2世夫妻のために素晴らしいジュエリーを製作。
このようなマーケティング活動により、ゴールデンベリルは世界中で注目されるようになりました。
しかし、その後、世界大戦が勃発し、ゴールデンベリルは忘れ去られてしまったのです。
国内でもほとんど聞いたことがないのではないでしょうか。
すっかりジュエリー業界から姿を消してしまった時期もありました。
現在、ゴールデンベリルはブラジルやマダガスカルでも産出されているが、明るい黄色をした上質なものは少ないのが実情です。
ゴールデンベリルはほとんど知られていないため、アクアマリンよりもずっと手頃な価格で手に入れることができます。
鉄とベリルの相性は補完関係にあるため、結晶が大きく成長して愛らしいものになることが多く、カット石はかなりの大きさになります。
ワシントンD.C.のスミソニアン博物館には、ファセット加工された最大のゴールデンベリル(2,054カラット)が展示されています。
ゴールデンベリルのお手入れ方法
ゴールデンベリルは耐久性に優れた宝石で、日常的な着用にもぴったりです。
お手入れは、中性洗剤で洗ってOK。
美しいだけでなく、お手入れにもそんなに手がかからないのがゴールデンベリルの魅力です。
天然石に魅せられて仕入れのために世界各国を飛び回る、Storiaの店長です。大阪市福島区で育った二児の父。学生のころからミネラルショーにも参加するほど石が好きで、中国やロシア、ブラジルに原石を探しに行ったり、アメリカでクリスタルヒーリングのセッションを受けたことも。特技は何でも食べられる(ようになった)こと。
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