宝石の加工とその価値 – 人工処理は許される?加工内容が開示されているかが焦点

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ツルタです!日本では特に天然の鉱石が良いとされる風潮がありますよね。でもエメラルドルビーサファイアのいわゆる「ビッグ3」のほとんどは、何らかの方法で加工が施されています。今回はトリートメントとエンハンスメントと加工後の価値についてお話します。

未処理であること=価値が高いという風潮

宝石ルース

宝石の世界では他の鉱石が混ざっていなくて、完璧な色彩を持っている上に欠点のないものだけが、何らかの強化処理を免れることができるわけです。

そして、それが記録的な高値に反映されます。

宝石が持つ「完璧さ」には高い価値があると考えられている証ですね。

最も価値のある未処理のルビーとされ、25.59カラットという圧巻のサイズを誇る「サンライズルビー」は、2015年5月にジュネーブのサザビーズで約36億4500万円の値段が付きました。

希少なビルマルビーであることも理由ですが、無色のダイヤモンドに付けられた価格をはるかに凌駕しているとんでもない高値です。

最高品質のエメラルドやサファイアも同様で、自然な状態で完璧に近ければ価値が高いわけです。

しかし、すべての石が完璧というわけではないので、エメラルド、サファイア、ルビーを購入する際に正しい選択をするために、どのような処理が許容されるのか、は知っておいた方がいいですね。

どこからが宝石の人工的な処理になるのか?

研磨加工

宝石の処理はさまざまであり、売り手は倫理的に処理されているかどうかを開示する義務があります。

宝石の外観や価値を向上させるために、人や機械によって行われるあらゆる改良は、宝石処理とみなされます。

宝石が原石として地面から出てくるとき、それは通常、カットと研磨され、これは石の輝きと光沢を向上させますが、どちらも人工的な宝石の処理とは見なされません。

ここは地味に大事なポイントです。

何も処理されていない宝石はありませんが、カットと研磨は一般的に人工的な宝石の処理とは言われないわけです。

最も一般的な処理は、表面改質、フラクチャー充填処理、熱処理、格子拡散です。

これらのうち、加熱処理とオイルフィリングは最も広く普及していて、正しく適用され、開示されていれば、許容できる強化処理と言えます。

表面改質は、「改質の程度が完全に開示されている場合にのみ」許容されます。

空洞や亀裂の充填は許容範囲内ですが、長持ちしないことがあるので、これらの処理を施したジュエリーを洗浄する際には特別な注意が必要です。

熱や化学薬品を使用した格子拡散は、宝石の価値を下げ、専門的な機器を使わないとわからないため、開示しなければなりません。

加工の内容がしっかり説明されていることが大事!

トリートメント自体は、石の強度と美しさを高めるだけでなく、より多くの価格帯でより幅広い選択を可能にしてくれます。

宝石の加工は、木製のダイニングテーブルにニスを何度も塗ったり、布地を染めたりするようなもので、どちらも妥当な範囲内で許容されているのが実情なんです。

ただし、お化粧と同じように、すべてのトリートメントが安定して持続するわけではありません。

中には扱い方次第で、一瞬で剥がれてしまうものもあります。

購入者がどのような加工が施されているかを把握できるように、店舗は加工内容の説明には細かく記載するべきですね。

     

コメント

  1. 匿名 より:

    個人的に表面のコーティングや染めは違うと思います。加熱処理はまだわかりますがね。

    • ツルタレナ@デザイン担当ツルタレナ@デザイン担当 より:

      染め加工は天然石でもあまり好まれませんね。
      瑪瑙なんかはよく染められていますが…
      色落ちもしませんし。
      しっかり開示しているかどうかが大事だと思います。

  2. インスタから より:

    加熱処理は説明しなくてもいいということでしょうか?

    • ツルタレナ@デザイン担当ツルタレナ@デザイン担当 より:

      しなくてもいいわけではないのですが、広く使われているのであえて書くほどでもないと考えている方が多いようです。
      カットや研磨に近い感じでしょうか。

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