ツルタです!たくさんカラーバリエーションがあることで有名なトルマリンですが、その中でも屈指の人気を誇るピンクトルマリンについて今回はお話します。
ピンクトルマリンの魅力は豊富なカラーバリエーション
ピンクの宝石が好きな人にとって、ピンクトルマリンほど多くの選択肢を与えてくれる宝石はありません。
トルマリンは宝石の中で最も豊富なカラーバリエーションを持っていますが、ピンクトルマリンの中にも色のバリエーションがあるんです。
柔らかな淡いピンクの色合いから、鮮やかな赤みがかったピンクの深い色合い、そしてホットピンクまで、様々なものがあります。
かつて、深い色のピンクトルマリンは、王や女王さえも欺いて、ルビーだと間違えられていたほどです。
1800年代に科学者がトルマリンを別種の鉱物として認識するまで、何世紀にもわたって混同され続けてきました。
たくさんあるピンクトルマリンの中でも、特に人気のある品種が「ウォーターメロントルマリン 」と呼ばれるものです。
ウォーターメロントルマリンは、外側が緑色で、わずかに白い皮のような層があり、その内側は鮮やかなピンクや赤色をしています。
まさにスイカのような色になっています。
このように3色が確認できるものをマルチカラー・トルマリンと呼び、2色だけのものはバイカラードトルマリンと呼ばれます。
トルマリンには様々な色があるため、それを区別するために特別な名前が付けられています。
例えば、ブルーのトルマリンはインディゴライト、グリーンのトルマリンはバーデライトと呼ばれ、ピンクトルマリンにもルベライトという別名があるのです。
光源や見る角度によって色が変化しないものが真のルベライトとされていますが、お店によってはピンクトルマリンがルベライトとして売られているかもしれません。
比較的大粒な石が採掘されるのも魅力
ピンクトルマリンの魅力のひとつは、その色合いの豊富さに加え、大粒であることが挙げられます。
5カラット以上の上質なものは一般的で、10カラットのものも見つかります。
マゼンタ色のルベライトはインクルージョンが多いのですが、ほとんどの高品質なものは目立つ不純物が見られません。
通常、ピンクトルマリンは無処理ですが、石によっては低温で加熱して色を薄くすることがあります。
10月の誕生石&結婚8周年記念の宝石でもある
ピンクトルマリンは、友情、思いやり、自己愛、変容、愛、人道主義を象徴する石とされています。
10月の誕生石であり、結婚8周年記念の宝石でもありますが、5周年記念の代替宝石とされることもあります。
ピンクトルマリンはどこで採掘される?
ピンクトルマリンは世界中で採掘されています。
アメリカ、ブラジル、ナイジェリア、モザンビーク、マダガスカル、アフガニスタン、ナミビアで豊富な鉱床が発見されているんです。
中でも最高品質なのはブラジルのムゾー鉱山とナミビア産のピンクトルマリンと言われています。
ナミビア産のピンクトルマリンは、非常に強いピンク色をしていて、本当に上質なトルマリンは希少であり、相応に高価です。
ピンクトルマリンの歴史
1777年、スウェーデン王グスタフス3世は「シーザーのルビー」と呼ばれる宝石をあしらった見事なペンダントをエカテリーナ大公に贈りました。
彼の意図は、この特別な贈り物によって、政治的な好意を引き出すことだったと言われています。
この250カラットの宝石は有名なロマノフ王家の宝石の一部となったのですが、後にルビーではないことが判明しました。
ルビーではなく、深いピンク色のトルマリンだったわけです。
1800年代半ばから後半にかけて、中国の女帝がピンクトルマリンの虜になり、すぐにカリフォルニアのトルマリン鉱山と直接取引するようになりました。
当時、最も美しい標本のいくつかは、パラ・チーフ、トルマリン・キング&クイーン、ヒマラヤ、スチュワートといったサンディエゴ地域の鉱山から採掘されたものでした。
この非常に重要な貿易ラインは、中国政府が崩壊する1912年まで続いたのです。
ティファニーの宝石鑑定士ジョージ・F・クンツによる宣伝活動により、1800年代後半にはピンクトルマリンはアメリカの宝石として知られるようになりました。
エジプトの伝説では、大地から結晶が成長する過程で虹に出会い、虹のすべての色を獲得し、トルマリンという宝石が壮大な美しさを持つようになったと信じられているのです。
ピンクトルマリンの伝説や言い伝え
古代の人々は、ピンクトルマリンに驚くべき力があると考えました。
インドでは、ルベライトは火、太陽、ポジティブなエネルギーと関連付けられていました。
善の行動を求める人に洞察力をもたらし、あらゆる障害を明らかにすると信じられていたのです。
また、ローマ人はピンクトルマリンをストレス解消や煩わしい眠りを助けるものとして使っていました。
現代ではピンクトルマリンは思いやり、寛容、愛、優しさを促進する石と信じられています。
天然石好きが高じてstoriaという石屋さんにお勤めすることになった関西人。主に仕入れとデザインを担当していますが、最近は写真撮影も勉強中。これまでに買付にいった国はブラジル、中国、タイなど。特技はどこでも眠れること。
コメント
ピンクトルマリンを買い集めていたのって西太后でしたっけ。1トンも集めたとかなんとか。
そうですね!
1トンは想像もできない量です…
カラットとかじゃなくて、トン。
レッドトルマリンと記載するお店もあるのでわかりにくいですよね。
わたしはルビーのような赤い宝石よりピンクの方が好き。
色の微妙な差で名前が変わったりするのが難しいところです。
ルビーも素敵ですけど、ピンクの石はやっぱり惹かれちゃいますね。
ルースをまとめて買ったことがありますけど、鑑別にだしたらガーネットとモルガナイト、ルビーも入ってました。。
ええ~!?
それは…ラッキーかも?
海外だとかなり大雑把だったりしますし、鑑別の手間を惜しんでまとめ売りされることもありますね。