ダイヤモンド、ルビー、エメラルドにサファイア。最も効果な宝石といえば、何を思い浮かべるでしょうか?
超高値で取引される宝石たち
宝石は、その精緻な美しさ、感傷的な象徴性、そして市場価値の高さから大切に扱われてきました。
希少な岩石を研磨してカットした宝石は、数千万ドルの価値を持つこともあります。
宝石と投資商品との違いはなんでしょうか?
他に類を見ない価値の集中があります。
1kgの金の価値が約5万ユーロ(約6万円)であるのに対し、高級なルビーの場合は30億円を超えることすらあるのです。
ここでは世界中の超高額な宝石についてご紹介します。
ダイヤモンド
高額といえば、なんと言ってもまずはこの宝石でしょう。
ダイヤモンドにはグレードがあり、カット、カラー、クラリティ、カラットによって価格が決まるため、宝石の価格は大きく変動します。
これまでに販売された最も高価なクリアダイヤモンドは163.41カラットで、2017年のクリスティーズのオークションで3,370万ドル(約38億円)でした。
ブルーダイヤモンド
世界で3つの鉱山でしか産出されないとされる、非常に希少なブルーダイヤモンド。
クリスティーズは2016年に、鮮やかな純青色の石であるオッペンハイマー・ブルー・ダイヤモンドを5750万ドル(約65億円)で販売しました。
ピンクダイヤモンド
これらの美しい色合いのダイヤモンドのうち、わずか0.0001%がピンクのダイヤモンドです。
全く欠点のないピンクスターダイヤモンドの原石は、2017年にサザビーズのオークションで7120万ドル(約80億円)で落札されました。
史上最も高価なダイヤモンドとして記録を打ち立てたのです。
レッドダイヤモンド
レッドダイヤモンドが採掘されるのは、ほんの一握りの鉱山だけです。
圧倒的に多いのは1カラット以下のもの。
発見された中で最大の大きさを誇るムサイエフ・レッド・ダイヤモンドは5.11カラットで、2000万ドル(約22億円)の価値があると言われています。
ブラックダイヤモンド
ブラックダイヤモンドは、グラファイトが強い熱と圧力を受けて発色する、希少で高価な宝石でもあります。
88カラット、57ファセットの「コルロフ・ノワール」は、既知のブラックダイヤモンドとしては世界最大。
なんと、3,700万ドル(約42億円)の保険がかけられていると言われています。
ルビー
ルビーは、ラテン語の「ruber(赤)」から名付けられたもので、サファイアと同様にコランダムから形成されています。
世界で最も高価なルビーはビルマ産です。
ルビーが非常に価値があるのは天然の蛍光性のためで、これにより内側から燃えるような輝きを放っています。
2015年5月12日、ジュネーブのサザビーズは、「サンライズ・ルビー」と名付けられた世界最大級の最高のルビーをオークションにかけました。
25.59カラットのこの石の記録的な落札額は、3,080万ドル(約35億円)に達しました!
エメラルド
エメラルドはダイヤモンドよりも希少性が高いのが特徴です。
宝石品質の緑青がかったエメラルドは、同じ品質のダイヤモンドよりも高価。
重量ベースでは最も高価なエメラルドはロックフェラーエメラルド。
2017年に551万ドル(約6.2億円)で落札されました。
アレキサンドライト
1830年代に発見されたばかりのアレキサンドライトは、見かけ上色が変化するという驚くべき能力を持つ希少な宝石です。
最も高価な例としては、2014年のクリスティーズオークションで約140万ドルに達した、21.41カラットのアレキサンドライトがあります。
パパラチア・サファイア
絶妙なサーモンピンクのパパラチアは、世界で最も希少なサファイアの一種です。
世界で最も高価なパパラチア・サファイアは、2017年のクリスティーズのオークションで250万ドル(約2.8億円)相当で落札されました。
パライバトルマリン
パライバトルマリンが発見されたのはごく最近のことですが、青空のような色合いでジュエリーデザイナーを中心に人気があります。
パライバトルマリンの最も高価な例は、2018年にクリスティーズのオークションで約278万ドル(約3億円)で落札されたイヤリング。
翡翠
翡翠は、特に中国のコレクター間で高い人気を誇っています。
これまでに販売された最も高価な翡翠ジュエリーは、27個のビーズで構成されたネックレスで、2014年に2,744万ドル(約31億円)で販売されました。
デマントイドガーネット
1868年にロシアのウラル山脈で発見されたデマントイド・ガーネットは、非常に希少で価値の高いものです。
スミソニアン博物館には、1990年代に発見された11.24カラットのデマントイドが所蔵されており、その価値は37,100ドル(約420万円)程度だと考えられています。
ブラックオパール
伝説では、オパールは閉じ込められた稲妻によって作られると言われています。
ただ、実際には、水と二酸化ケイ素が地球の自然な断層に漏れ込むことによって形成され、計り知れない美しさを持つ宝石となります。
最も高価なのは「ハレー彗星」と呼ばれる世界最大のブラックオパール。
160万ドル(約1.8億円)で取引されたことがあると言われています。
ベニトアイト
最初に発見されたカリフォルニア州サンベニート郡にちなんで名付けられたベニトアイトは、酸化アルミニウムにマグネシウム、鉄、亜鉛が混ざった青~青紫の宝石です。
ファセットカットされた最大のベニトアイトは7.7カラットで、スミソニアン博物館に展示されています。
約30,800ドル(約350万円)の価値があると言われています。
ムスグラバイト
タアフェイトの仲間で、最近まで8個しか存在しないとされていた非常に希少な宝石です。
世界最大のマスグラバイトとされるのは、ハート型の16カラットの石で、最近80万ドル(約9000万円)で落札されました。
ビックスバイト(レッドベリル)
宝石品質のビックスバイトは、レッドベリルとして一般的に知られており、ルビーの方が約8,000倍多いと考えられているほど希少です。
2014年のボナムズでは、「ミュージアム・クオリティ」のレッドベリルが推定価格8万~10万ドル(大体1000万ぐらい)で市場に出ています。
タアフェイト
タアフェアイトは最も希少な宝石のひとつで、その数は約50個しか知られていません。
実に、ダイヤモンドの約100万倍の希少性を誇ります。
美しい淡いピンク色の5.34カラットのタアフェイトが、2018年にボナムズで2万ドル(約220万円)で落札されました。
セレンディバイト
セレンディバイトはシリカの非常に珍しい鉱物形態で、宝石品質の石にはほとんど見られません。
知られている最大のカットのセレンディバイト石は、オフィール・コレクションに属し、140.76カラットで、約250万ドル(約2.8億円)の価値があると考えられています。
グランディディエライト
グランディディエライトは非常に希少で、この青緑色の美しい石は1,000石に1つしかない宝石品質です。
世界最大のグランディディエライトはメディチ・コレクションに属しており、その重さは764カラットで、この宝石は1528万ドル(約17億円)の価値があることになります。
パイナイト
2001年までに知られていたパイナイトの石はわずか3個で、この茶色がかったオレンジ色の赤い岩は世界で最も希少な宝石となっています。
現存する最も高価なパイナイトはメディチ家のコレクションのもので、重さは213.52カラット、この宝石は1280万ドル(約14億円)の価値があると考えられています。
※1カラットあたりの価格の中央値
※ドルは2021年10月のドル円相場で計算しています。
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天然石に魅せられて仕入れのために世界各国を飛び回る、Storiaの店長です。大阪市福島区で育った二児の父。学生のころからミネラルショーにも参加するほど石が好きで、中国やロシア、ブラジルに原石を探しに行ったり、アメリカでクリスタルヒーリングのセッションを受けたことも。特技は何でも食べられる(ようになった)こと。
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